日本の長時間過重労働問題を告発した『働きすぎの時代』(岩波新書)の著書で知られる、森岡孝二関西大学教授が17日、京都市内で講演し、政府・財界が導入を狙う日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)について批判し、「『働きすぎ』にブレーキをかける労働時間の規制・監督の強化こそ必要」と訴えました。
 同日、中京区内で行われた京都市職労07春闘討論集会で講演したもの。森岡氏は、労働時間についての各種統計調査を元に、男性正社員を中心に非正規のフリーターにも〝働きすぎ〟が広がっていることを指摘。通常国会提出が見送りとなった日本版WEについては、「自立的な働き方の労働者が大量にいる」「より自由で弾力的に働けるようになる」という政府の言い分を「制度設計上の2つの嘘」とのべ、「サービス残業のまん延など事実上WE状態を合法化したいというのが本音」と批判しました。
 最後に、“働きすぎ”は各分野での矛盾や事故を生み、社会の持続性を危うくするとして、「働きすぎにブレーキをかける労働時間の規制・監督の強化こそ必要。男性中心から男女平等の働き方に変え、若者が希望と誇りを持つことができる社会にしないといけない」と話しました。