発がん性のある化学物質・ベンゼンが、国の大気環境基準の2・6倍の濃度で検出され、近隣住民に湿しんなどの被害が多数起こっている大阪府寝屋川市のプラスチックリサイクル工場周辺の現地観察会が11日、京都の環境保護団体「地球温暖化防止京都ネットワーク」によって行われました。
 同ネットでは、京都・南丹両市で類似施設の建設が計画されていることから安全性を考えようと企画したもの。
 当日は、地元の「廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会」代表から、この間の取り組みや現状の説明を受け、その後、廃プラリサイクル工場周辺を見学。
 地元住民との交流会では、工場から600メートルの地点に住む女性から「有機化合物の臭いが夜、塊のようにやってきて、明け方に咳き込んだり、窓も安心して開けられない。目の下がはれたりせき込んだりする症状の人も少なくない」などの実態が報告されました。
 同工場周辺の環境については昨年6月、東京大学大学院の柳沢幸雄教授が調査。工場周辺地域の湿しん発症数は、2・8キロ離れた地域と比べ12・43倍、眼のかゆみは6・89倍、眼の痛みは5・8倍、のどのいがらっぽさは5・9倍となっていました。(S・Y)