政府の労働政策審議会最低賃金部会は1月29日、最低賃金引き下げにつながる条項を新たに盛り込んだ最低賃金法改正案の法案要綱を了承し、厚労相に答申しました。04年から「最賃生活」を通じて低すぎる最低賃金の実態を告発してきた京都総評青年部は、「引き上げ方針が示されたことは大きな成果」と話しています。
 要綱では、全労働者が対象となる「地域別最低賃金」を決める際、「生活保護との整合性に配慮する」ことが盛り込まれました。生活保護水準にも満たない最低賃金を抜本的に引き上げ、「ワーキングプア」をなくす力になるものです。
 京都では、04年から京都総評青年部が中心となって1カ月間、京都府の最低賃金(04年・時給677円)で生活する「げんなり!最賃伝説」に取り組み、のべ185人が参加しました。〝最賃体験〟を通じて低すぎる実態を明らかにし、毎回の体験後には京都労働局に最賃引き上げを要請。その結果、04年10月に時給678円、05年に同682円、06年に同686円と毎年引き上げも勝ち取ってきました。
 過去3回の最賃生活を体験した京都総評青年部の石渡牧子さん(30)は、「全国レベルでの引き上げ答申は大きな成果。最賃体験では、食べるだけとなり、趣味や人付き合いなど社会的な生活が送れないことが明らかになりました。今後生活保護水準が逆に切り下げられることのないよう求めたい」と話しています。(写真=05年に「最賃伝説」に挑戦した青年労働者ら)