京都市左京区の半鐘山開発問題で26日、当初の開発計画を縮小変更し、周囲の緑地を保全することなどを条件に住民側と業者側が和解。8年8カ月に及ぶ住民の運動が半鐘山の緑を守りました。 この日、京都地裁で開発戸数を13から5に縮小し、半鐘山の周囲部分を市に無償提供して緑地を保全するなどの開発変更について、住民と業者が和解。これを受けて、市に開発許可取り消しを求めて提訴していた住民らが「要求がほぼ全面的に満たされた」として、訴訟を取り下げました。
 半鐘山開発は98年3月に発覚し、世界遺産・銀閣寺に近接する、市街地の貴重な里山である半鐘山全部を削り取り、宅地造成する計画。住民らの反対の中、京都市は01年3月に開発許可を出しましたが、03年12月に周辺家屋が損害を受けるとして、工事中止の仮処分が下され、現在に至るまで開発は中断されていました。
 周辺住民らは、「半鐘山と北白川を守る会」を結成し(01年4月)、行政訴訟(04年1月、京都地裁に提訴)やユネスコ世界遺産センターへの要請行動、緑地保全を考えるシンポジウムなどの運動を続けてきました。