「棄兵・棄民による国家賠償を勝ち取る会」の主催による「シベリア抑留展」が23日から下京区のひと・まち交流館京都で開催されています。シベリアでの遺骨収集作業(発掘現場や焼骨点火作業など「骨上げ、一つの遺骨で箸で二人が袋に詰めているところ。感極まって涙ぐんでいる女性」など生々しいパネル)や、日本政府が棄兵と棄民方針を決定した裁判証拠の貴重な「大本榮参謀ノ報告ニ関スル所見並びに基礎資料」や関東軍がソ連に送った書簡やスターリンが何十万もの強制収用と強制労働を強いた極秘命令など文献などが展示され、訪れた人々はパネルや資料に見入っていました。
 同会代表の林明治さんが、パネルや資料を丁寧に解説もされています。3年もシベリアに抑留されていた谷口卯一郎さん(同会代表補佐で当初藤森の16師団所属)は、「わたしらは一日の重労働を終えて寝るとき、今日も生きていたなァー」とか「いつ死ぬにゃろか、あの人もいなくなったとみんなで言ってたんです。まさか日本に戻れるなんて夢にも思わなかったですよ」と語り、声を詰まらせて「まだ数万の人がシベリアに眠っているのです。厚生労働省の倉庫には、今なお何千の遺骨が泣いているんですよ」と語られていました。
 訪れた人は「こんなむごい戦争なんて二度と起こしてはなりません。改めて強く思います。だから憲法9条をなんとしてもまもらなくては」と感想を述べていました。(仲野良典)
 (写真は23日開催直後の風景で、厳しい軍隊生活や抑留生活を描いた石川倶恵(トモシゲ)さんのりっぱな大きな油絵などに見入いり説明を聞く来館者のみなさん)
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 展示は26日(火)まで。無料。午前9時半から午後5時。