旧八木町(現南丹市)に在住していた女性(61)=山科区=が98年2月の医療保護入院時、町職員らに押さえつけられ、意思に反して精神安定剤を注射され、病院に連れて行かれたのは不当として、同市と当時の町長、医師に計1210万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、京都地裁で行われました。田中義則裁判長は「問診が不十分で、緊急に入院させる必要があったとは認められない」と述べ、南丹市と医師に110万円の支払いを命じました。
 判決によると、夫からの相談を受け、当時の町長の中川泰宏・衆院議員が職員3人に指示。女性宅を職員3人と医師が訪問しました。抵抗した女性を夫と長男が、さらに医師の指示で職員3人が押さえ、医師が女性に注射。6人で女性を町公用車に乗せ、病院に運んだというものです。
 原告側は、中川氏の責任も追及しましたが、判決は「強制連行を具体的に指示したとまでは認められない」と退けました。