府立医科大学と府立大学の法人化を考えるシンポジウム(主催・京都府職員労働組合)が18日、京都市上京区内で行われ、両大学の職員や学生など106人が参加しました。 記念講演した市橋克哉・名古屋大学法学研究科教授は、国公立大学の意義について、市場原理や親の経済状況に左右されず、高等教育を受けられることにあるとのべた上で、国立大学の法人化が学問の自由や大学自治を守る一定の法的歯止めがあるのにたいして、公立大学の法人化の場合は、「より地方自治体の行財政改革に沿った改革になる恐れがある」と指摘しました。
 シンポでは、垣田さち子・府保険医協会副理事長は府立医科大について、「府北部の医師不足への対応など期待は大きい。府民だけでなく開業医にとっても心強い財産」と語り、高山利夫弁護士は法人化による教職員の雇用・労働条件について、「不安定化、悪化する可能性が高い。公教育の後退を招き、格差社会がより進行するのでは」と懸念を示しました。また、既に法人化された京都工芸繊維大学の大倉弘之教授は、「法人学長からは『人件費の削減』が指示される。教学組織であることがおろそかにされてはいけない」と話しました。