第36回京都市教育研究集会が27日、左京区の京都教育文化センターで開かれ、犬山市教育委員で名古屋大学の中嶋哲彦教授が、「『学力テスト』不参加を決めた犬山市~教育基本法を生かし豊かな学力を」と題して講演しました。
 中嶋氏は、犬山市の教育が、教育基本法に掲げられた「人格の完成」を目指し、▽多様な学力・習熟度の子どもがともに学ぶ授業づくり▽学習と生活が一体の少人数学級の編成―など行っていることを紹介。学力は本来、共有財産であり、何のためにどのように活用するかが大事だと話し、人格の獲得と一体であるものだと強調しました。
 また、文科省が来年4月に実施する全国一斉学力テストについて、学力テストですすむ米国の学校管理の実態を紹介しながら、点が取れる学力のみに関心が集中すること、教師と学校の評価に利用される危険性を指摘。点数化できる学力だけを強調し、一律に子どもを押さえ込むものだと批判しました。