環境庁が「きれいな水の指標生物」としているウズムシ類の一種にもかかわらず、やや水質の悪いところに生息する外来種・アメリカナミウズムシが鴨川に定着していることが京都成安高校生物部の調査でわかりました。同種の定着が確認されたのは、日本で3例目です。
 ウズムシは一般にプラナリアとよばれる生物の一種で、体はひらたくやわらかで切れやすく、切れてもすぐ再生することが知られています。体長は10~20ミリメートル。小川の浅い流れの石の上を流れるようにはって移動します。
 アメリカナミウズムシは褐色で在来種のナミウズムシと違って黒い斑(はん)点がついているのが特徴です。札幌、新潟、東京、佐賀、横浜、名古屋での採取記録があり、長崎県浦上川、滋賀県琵琶湖南湖での定着が確認されています。
 同生物部は今年4月、高野川支流・岩滝川に流入する水路で採取した藻(も)から同種の生息を確認。7月29日までに、高野川の御蔭橋、賀茂川の北山橋、北大路橋、葵橋、鴨川の賀茂大橋、四条大橋の河床6カ所を調査し、いずれも定着を確認しました。四条大橋では採取した219匹中215匹(98・2%)、加茂大橋では47匹中38匹(81%)を占めていました。
 同部顧問の米澤信道教諭は「アメリカナミウズムシがこれほど高密度に定着していることは驚き。定着の原因、範囲など調査し近くレポートを発表したい」と話しています。