能「松風」をもとに現代フランスを代表する作曲家アセーヌ・ラルビ氏と日本舞踊家・西川千麗さんは同名のオペラを完成。13日、京都市左京区の京都芸術劇場春秋座で、市民500人を前に初演しました。
 「松風」は、須磨に流された在原行平の寵愛を受けた海女の姉妹・松風と村雨が、行平上洛後も忘れられずに亡霊となって思いを語るもの。
 ラルビ氏は、現代音楽の代表的作曲家メシアンらによるマスタークラスに参加。00年に関西日仏学館の招へい芸術家として京都で日本文化を吸収してきました。西川さんは、西川鯉三郎・右近に師事。「よだかの星」(宮沢賢治原作)など文学を題材にした創作舞踊をてがけ、欧州でも高い評価を得ていました。現代芸術の創造に携わる2人の共同で日本の能と西洋のオペラが融合しました。
 当日、ラルビ氏が小オーケストラを指揮。西川さんは、行平形見の狩衣を抱き、恋慕で狂乱となる松風を幻想的に表現しました。