京都自治体問題研究所などが参加する「耐震強度偽装問題シンポジウム実行委員会」は25日、南区の京都テルサで、「なぜ耐震強度偽装はおこったか…その真相を探る」シンポジウムを開き、約80人が参加しました。
 主催者を代表して斉藤真一さんがシンポの目的が「安全、安心のため建築行政をどうするか」にあるとあいさつ。パネラーを務めた日経アーキテクチュア副編集長の高津尚悟さんが、偽装発覚後の建築士アンケートで「発注者より違法設計を指示された事があるが26・3%にも上る」と建築業界の実態を紹介しました。
 欠陥住宅問題を系統的に取組んでいる飯田昭弁護士は、建築基準法の98年改定は「営利目的の企業では『公正中立』は不可能、又建築確認の情報開示に蓋をした」と指摘。市職労の宮内尚志さんは、「法改正」以降、民間委託は2004年度で97・2%になっている資料を紹介し、「行政としての専門家の育成が重要、組合としても取組む」と今後の課題を提起しました。
 参加者した建築士から「建設スピードを商品にする事態の解決に倫理問題を構築したい」など積極的な論議が交わされました。
 コーディネータを勤めた日本福祉大学教授の片方信也さんは、「建築基本法の設定など新しい仕組みが必要」と指摘しました。終了後、参加者から「京都の対策の遅れを実感した」との声が出されました。(有川知之)