府民の安心・安全の問題で「推進に取り組んできた」(04年)、「総力を挙げて取り組んだ」(05年)と誇ってきた山田知事。ところが一転。4日の年頭訓示で山田知事は耐震強度偽装問題を例にあげ、自らの安心・安全の行政姿勢が欠落していたことを初めて認めました。
 知事は、昨年を振り返り「府民の皆様の安心・安全をもう一度確立しなければならないという思いを強くした一年」とのべました。
 昨年、京都府が府内2ホテルの耐震強度偽装の問題などで、偽装を見抜けず「安全宣言」をしたことに、「府民の安全、安心を脅かす危機を見通せず、見抜けず、見逃したのでは、なんの行政と言えようか」(「京都」05年12月16日付)などと批判されていました。


「安全」一転「やっぱり偽装されていた」 京都府改ざん発覚で大慌て
 耐震偽装されたホテルは舞鶴市の 「プラザホテル舞鶴」(鉄筋8階建て)と京丹後市の「シティーホテル峰山」(同)。いずれも姉歯建築が構造設計を担当し、 府が建築確認を出していました。
 府は11月21日、 千葉県から 「京都にも姉歯建築が設計に関わったホテルがある」 との情報提供を受け、 建築確認申請書の入力数字や計算結果、 設計図との照合を確認しましたが、 実際に計算はせず、 翌22日 「構造計算書に改ざんはないことを確認した」 と発表。
 同24日の府議会建設常任委員会で日本共産党の前窪義由紀議員が、「現場検証を実施すべき」と提案しましたが、「検査は非常に適正に行われている」と答弁していました。 その後、 他県で再計算して改ざんが発覚したことから、 同30日に計算式の確認を開始し、 12月2日改ざんが発覚したもの。
 原田議員は、 兵庫県が過去3年間の建築確認申請のうち、「偽装で使われたプログラムを使用した構造計算書などを再計算する」としていることを示し、 知事に再発防止策を迫りました。(「週刊しんぶん京都民報」2005年12月11日付掲載)