みやこめっせで開催された「しんわかいまつり」(11月30日、京都市左京区)

 京都民医連あすかい病院(京都市左京区)や介護医療院「茶山のさと」(同)など、京都市左京区、東山区、山科区で医療機関や介護事業所を運営する公益社団法人信和会(小林充理事長)は今年創立70年を迎えました。11月30日に、70周年を記念した「しんわかいまつり」(京都東健康友の会共催)をみやこめっせで開催し、地域の医療・介護の要求にこたえながら、「命の平等」を求める実践を継続していくことを誓い合いました。

 メイン企画として、「語り・学び・繋ぐ」をテーマにトークセッションが行われ、あすかい病院院長の中川裕美子氏とともに、第二中央病院時代に院長・理事長を兼任し、知事選(2010年)にも出馬した門祐輔氏、左京区選出で京都市議(日本共産党)を7期務めた有吉節子氏の3人が信和会の70年の歴史を巡って語り合いました。小林理事長が司会を務めました。

 前身の安井病院の初代院長を務めた安井信雄氏からバトンタッチで京都市議に挑んだ有吉氏は、市議会の質疑の中で自民党のベテラン議員が安井氏を「医師としての見本」と高く評価したエピソードを紹介し、「うれしくて涙が出た。国の医療や介護の改悪がありますが、みなさんがつくったこの病院を守っていってほしい」と訴えかけました。

 門氏は、院長として開業医の声や地域の人の医療ニーズを踏まえて、長期に入院できる療養病棟を設けたり、リハビリ医療の重視、24時間往診体制の確立や介護事業の取り組みなどを通じて病院の経営改善を図ってきたことを紹介。現在の信和会職員に送るメッセージとして、無差別平等の医療と戦争政策への反対を掲げた民医連綱領の道をぶれずに進んでほしいと訴え、「知事選出馬時に医師不足打開へ『オール京都』であたるという公約は、今の京都府自身も掲げるようになっている。病院経営や職員の生活を守ることとともに、社会全体の医療や介護を良くする運動にこだわってほしい」と呼びかけました。

 中川氏は、地域の医療機関や介護事業所は「国民の財産」であり、それを守るための署名に全国で取り組んでいることを紹介。コロナ禍の中で職を失い、ボロボロになりながら無料低額診療を実施しているあすかい病院にたどりついたバスガイドさんのエピソードに触れ、「安井信雄氏が大事にした『命の平等』という言葉を今も全職員に伝えています。病気や障害を抱えて、どう生きていけばいいのかと困ったときに、“大丈夫、信和会がある”と言ってほしい。この思いで頑張っていきたい」と力を込めました。

トークセッションを行う(右から)中川、門、有吉の各氏