「丹後」「舞鶴」医療実態調査へ 京都社保協、丹後社保協など6団体がスタート集会「このままでは医療崩壊に」

丹後 国の病床削減推進「モデル区域」
舞鶴 公的4病院を2病院に統合方針
京都社会保障推進協議会、丹後社保協など6団体は、丹後・舞鶴地域での医療機関や介護施設などへの住民要求・課題を明らかにすることを目指し、「医療実態調査スタート集会」を9月27日、京丹後市で開催しました。
厚生労働省は医療提供体制上の課題などを明らかにし、病床削減などを推進するために、全国で10~20カ所を「モデル推進区域」に設定。その一つに丹後地域(京丹後市、宮津市、伊根町、与謝野町)が選定され、舞鶴市では、開会中の9月定例市議会で鴨田秋津市長が、4公的病院を統合して計2病院とする方向性を各院長と合意したと述べました。
こうした「緊迫する情勢」を受け、京都社保協が丹後・舞鶴での実態調査を呼びかけました。この日、同調査のアドバイザーを務める高山一夫・京都橘大学教授が「医療・介護を巡る状況と京都府北部調査の意義」について講演をしました。
高山氏は、政府が「地域医療構想」の名の下に、病床削減を自治体に要求してきた経過を解説。府の「丹後構想区域」によると、必要病床数は計870床で、とりわけ急性期病床を大幅に減らす方向を打ち出していることを告発しました。
一方、北部地域での医療・介護実態調査はこれまでに13、19両年に行われ、医療提供体制の課題が浮き彫りになったと指摘。特に丹後は「医師少数区域」に区分され、医療施設数も全国平均以下で、2回目の調査で「医療費が高い」「診療科目がない」ために未受診となっていることが明らかになったと述べました。「統計データだけでは分からない生の現実を知り、調査結果を社会に返すことが大事だ」と強調しました。
丹後社保協の山本忠男議長があいさつし、「丹後では、このままでは地域医療が崩壊する。実態調査を成功させ、国や府に私たちの要求を迫っていこう」と訴えました。
松本隆浩京都社保協事務局長が調査内容などについて提案。アンケートは①受診状況、介護サービスの利用状況などに加え、暮らし向きについても住民調査②医療機関や介護施設への訪問・郵送による調査─を行い、来年1月にまとめ集会、2月には府へ申し入れを行いたいとしました。