ヒメジョオン 梅雨入りで鬱陶しい日々がしばらくつづきますが、野草や雑草たちにとっては恵みの雨です。初夏近づくこのごろは、大型機械で刈り取られてもヘラオオバコやギシギシ、スイバやイネ科の雑草が競い合っています。なかでもヒメジョオンは河川敷や堤防、空き地や道ばたなどいたるところで真っ白な小さな花を咲かせています。
 ヒメジョオン【キク科ムカシヨモギ属:学名Erigeron annuus。日本に古来からあるシオン(紫苑)はキク科シオン属で背丈は1~2メートルになり薄紫の花が平安神宮の西神苑に8月ごろから咲きます】は、ハルジオンにとてもよく似ていますが、漢字は姫女苑と春紫苑と書きます。
 ヒメジョオンの茎は中に白綿(髄)が詰まっていますが、ハルジオンは中が空洞。また葉は茎を抱かないことや蕾みが下の方にあまり垂れないなどで区別できます。草花でヒメ(姫)やコ(小)などがつくのは小さなとか可愛いとかの意味で女苑は中国産という意味があるそうです。北米が原産地で中国を経由して明治初期に渡来しました。
 ヒメジョオンはハルジオン(北米原産で大正時代に渡来)の後に咲き、夏いっぱい咲きます。いたる所で見られるので見過ごされてしまいますが、写真(左京区の通称哲学の道を流れる疎水分流水路のヒメジョオンです)のようにとても可愛い花で今が一番元気で輝いています。一度じっくりみてやってください、とても愛らしいんですよ。(仲野良典)