「平和憲法を守る音楽と講演の集い」が29日、京都市中京区のハートピア京都で開かれ、市民約200人が参加しました。京都第一法律事務所が主催したもの。はじめに楊雪元氏による中国笛の演奏と歌唱が行われました。楊氏は、何本もの中国笛や韓国笛を使い分け、ユーモアあふれる語りと音色で観客を魅了しました。また、迫力のあるテノールの調べには、聞いている人たちから感嘆のため息と拍手が鳴り止まず、異例のアンコール。中国国際音楽コンクール1位受賞の歌も披露されました。
 ジャーナリストの薄井雅子さんが「戦争熱症候群…傷つくアメリカ社会」と題して講演。薄井さんは、2001年9月11日のテロ以後、すぐにアメリカ中が「戦争熱」にとりつかれたようにマスコミも国民も戦争に駆り立てられた様子を、自らのアメリカでの体験をもとに詳しく報告。戦争が長引くにつれて、4000人を超えるアメリカの10代、20代の若者が戦死し、毎日のように「戦死公報」が新聞に載る戦争を本当に「聖戦」と受け止めてよいのか、この戦争への深い疑念と悲しみを感じたと言います。
 そして、9・11以前からアメリカの財界と政権は、アフガニスタンやイラクなど中東での石油利権の獲得を目指して、この地域を自らの支配下に置くために「フセイン暗殺」を公言しており、これは現在闘われている大統領選挙の候補者たちも変わりがないと指摘。この異常な「戦争する国」の有様に、会場からも多くのため息が漏れていました。一方で、アメリカで戦争経験者の「おばあちゃんたち」が「若者を戦場に送るな」「戦争よりも健康保険を」とスローガンを掲げて闘いに立ち上がり、逮捕されて裁判になっても「陪審員」の無罪評決を勝ち取って闘っている姿や軍法会議にかけられることを覚悟で「兵役拒否」に立ち上がった日系二世の「ワタダ中尉」の闘いを紹介。薄井さん自らも「在米日本人9条の会」を作り、この憲法9条の大切さを訴えていることを報告すると、会場からも多くの共感の拍手が起きました。
 集会は、麻生首相のもとで新テロ特措法の審議が進む中、日本がアメリカの戦争に協力する道を歩んではならないことを改めて確認させるものとなりました。
 集会には、こくた恵二衆院議員と井上さとし参院議員から憲法を守るためにともに頑張りましょうとのメッセージが寄せられました。(池田哲也)