京都新聞社(京都市中京区)のグループ会社「京都新聞COM」に勤務する契約社員の女性2人が10月27日、来年3月末に雇い止めされるのは不当として、同社を相手取り、社員の地位保全と来年4月以降から判決確定までの賃金仮払いを求める仮処分を京都地方裁判所に申し立てました。
 仮処分を申し立てたのは、京都新聞社の別の子会社と同社で連続4年勤務している女性(43)=京都市=と、連続7年勤務している女性(32)=京都市=の2人です。
 同社は06年に京都新聞社が100%出資して作った子会社で、広告やイベント業務などを行っています。申し立てた2人は06年の同社設立と同時に別の子会社で従事していた職務が同社に移管されたことに伴い、同社へ異動し、1年契約で毎年更新していました。
 今年6月、突然会社側は2人に来年3月までの雇い止めの通知を行いました。2人は労働組合にかけ合って雇用継続を求めてきましたが、会社が応じなかったために申し立てに至りました。
 記者会見で京都第一法律事務所の渡辺輝人弁護士は、「同社は実質的に京都新聞社と同じ会社。2人は3年以上働いているので、期限の定めのない雇用に変わっており、これは実質的な解雇。会社側は契約を継続する義務がある」と話しました。
 会見に同席した京都新聞労働組合の執行委員は、「新聞の中で、雇用問題など貧困や格差の問題を報道してきたのに、『どの口がこんなことを言っているのか』という気持ちです。2人の雇い止めは許されない」と訴えました。