これを変えていくために、ひとつは税率を10年前に戻し、5兆円近くの財源を確保すれば、誰もが安心して自宅でも病院でもお産ができるようになるのではないでしょうか。
 ふたつ目は、導入されて20年になる消費税です。みなさんの懐から188兆円とられましたが、福祉は切り捨てられ医療は崩壊させられようとしています。税率を下げた法人三税を1989年から累計すると159兆円です。
 日本の消費税率は5パーセントで、イギリスの消費税率は17・5パーセントですが、イギリスは生活に必要なものにはほとんど消費税がからず、国税に占める消費税の割合は日本が24・6パーセント、イギリスが23・7パーセント。日本より消費税率が高いイギリスのほうが、消費税として取っている額が少ないことがわかりますが、納めた税金が医療や年金介護など私たちが生きていくのに必要な社会保障への還元率は日本が41・6パーセント、イギリスが59パーセントです。
 消費税を上げ社会保障の財源にするという議論が持ち出されますが、社会保障費と税金のからくりをしっかり見ることが大事です。
 米軍基地は全世界にあります。米軍基地は日本に130ヶ所、ドイツに286ヶ所あり、米軍駐留に関する費用をイギリスは1908億円、韓国は1029億円、日本は5382億円も国庫から支払っています。人を殺すことにこれだけ税金を使い、命を生み出す医療や人が生きていくための年金や介護など、社会保障や福祉の予算を削るという税制の大本を正したい。