12日の大阪地裁での近畿原爆訴訟の第1次判決は、原告9人1人ひとりに「厚生省による認定申請却下を取り消す」という画期的内容で、文字通りの全面勝訴でした。  28日に第2次訴訟原告の1人、寺山忠好さんをこくた恵二衆院議員と訪問し、激励させていただきました。
 寺山さんは長崎で被爆し、その記憶を頼りに原爆絵を描き、昨年、絵本にまとめ「こぎゃんことがあってよかとか」とのタイトルで出版されています。
 訪問した際に、家族が埋葬されているお墓の裏面に1人ひとりの名前のしたに「廿年八月九日原爆死」と書いてある写真をみせていただき、改めて原爆による死というものを直視できました。
 「いつ死ぬかも知れない。しかし2次判決の勝訴を聞くまで死ねない」との寺山さんの言葉を聞いて、厚生労働省の大阪地裁判決控訴は、いかに被爆者の現状を見ない、非人間的なものであるか痛感しました。
 「厚生労働省は控訴を取り下げよ!」の声をあげていきたい。(井坂博文)