6日から国会で審議が始まった医療改悪法案。府内各地の医師会長や老人会・患者会などから反対の声を紹介します。
いっそうの受診抑制懸念
 私が今、 医療の現場で感じることは明確な受診抑制が起こっているということです。 月2回来院された方が1回となり、 処方した薬も決められた日数ではなく、 分けて飲まれるんです。
 国保料や介護保険料など種々の負担増がある中での生活防衛なのかもしれません。 しかし、 医師の立場からすれば、 症状の悪化につながる恐れもありますし、 何よりも、 命と健康にかかわる医療費を切り詰めないといけない状況は深刻です。 今国会で審議される医療制度「改革」では、高齢者の窓口負担を2、3倍に上げるもので、いっそうの受診抑制が懸念されます。
 また、 保険が効かない診療を併用する 「混合診療」 の導入が盛り込まれています。 外資系民間医療保険のテレビCMや新聞折り込みを見ていると、国民皆保険制度を崩して、 医療をお金もうけの対象にしようとしているとしか思えません。
 医療分野が端的ですが、 小泉首相になってから、 さまざまな面で国の責任がどんどん投げ出されていることを危惧します。 今度の医療 「改革」 を進めるに当たっても、 政府や小泉首相は 「持続可能な…」 という言葉を必ず持ち出しますが、 患者さんの負担を増やして制度を 「持続」 させても、 国民の生活は良くなるはずありません。
(「週刊しんぶん京都民報」06年3月19日付掲載)