20160812-001 京都芸術センター(中京区)の名物イベント「月イチ古典芸能シリーズ」。26日(金)の御題は「8月は、地獄絵を知る」です。

 地獄絵の絵解きとは宗教者が掛軸などを用いて、描き出された地獄絵の世界に潜む教訓、戒めを民衆に伝えた話芸のこと。16世紀以降は熊野比丘尼(尼僧)による宗教芸能として庶民の間に浸透し、日本人の来世観に大きな影響を与えました。

 前半は関西学院大学文学部の西山克(まさる)教授を講師に迎え、絵解きが庶民の娯楽となるまでの歴史的な変遷について詳細を聞きます。後半は教授自らが『熊野(くまの)観心(かんじん)十界(じっかい)曼荼羅(まんだら)』の絵解きを実演。ジャンル無用のクラリネット吹き、瀬戸信行と日本でただ一人のタンバリン演奏家田島隆による生伴奏が“怖面白い”地獄絵絵解きの世界を大いに盛り上げます。

 絵解きは人が人として正しく生きるための「人生の羅針盤」。巧みな話芸に導かれ、地獄絵の世界に触れることで、自分を見つめ直す、良い機会になるかもしれません。

 26日(金)19時~20時半、京都芸術センター大広間(中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2)。講師西山克(関西学院大学文学部教授)。料金無料。事前申込制(先着順70名)。問い合わせ☎075・213・1000(京都芸術センター)。