20150711-03 TPP交渉で7月中に大筋合意をめざす各国政府の動きが報道されるもと、「TPPを考える山城ネットワーク」は9日、京田辺市内でTPPと政府の農協「改革」問題を学ぶ学習会を開きました。農協関係者など約70人が参加しました。

 大妻女子大学の田代洋一教授が講演。TPP交渉に日本が参加後、並行して進められている日米協議の中で、すでに昨年末、アメリカが米産米の特別輸入枠を21.5万㌧要求していると指摘。昨年から日本政府が減反政策をやめ、米価が暴落しているもとで、アメリカの特別枠が入れべ米価はさらに引き下がり、関税ゼロと同じになるとのべ、「すでに国内の米産地は園芸野菜にシフトしており、日本農業への影響ははかりしれない」と語りました。

 また米議会で交渉権を大統領に一任するTPA法が可決し、交渉が加速するとされているもとで、日本政府が交渉参加を決めた際の国会決議(2013年4月)で、▽重要5品目は協議対象から除外▽国の主権を損なうISD条項には合意しない▽情報を国会・国民に速やかに提供する―などを求めていることを紹介し、「これを誠実に実行するよう求めていく国民運動が必要」と訴えました。

 また政府が進める農協「改革」について「TPPに反対する農協、とくに全中をつぶす目的のもの」と解説し、「安倍首相は政権が変わっても後戻りできないように国の形を変えることを狙っている。地方から立ち上がり安倍の『改革』を阻止しよう」と述べました。