右京原発ゼロネットワーク 右京原発ゼロネットワークは9日、中京区の京都アスニーで3回目となる原発学習会を行い、46人が参加。映画監督 高垣博也さんが「福島で何がおこっているのか?――原発情報を疑え」のテーマで講演しました。
 高垣氏は「普通、人は自分の認識に合致したものが正しいと思いがちです。報道されても興味がないと気が付かなかったり、聞き流していませんか。事件が起こってもその場限りで、その後どうなったのか、人々がどうしたか。たとえニュースで報道されても気づかないことが多いのではないでしょうか?報道する側も問題があるが、受け手側にも問題があるのではないでしょうか」と問いかけました。
 報道する側としては、ニュースの情報は多くても要約され、言葉は限られているものの、NHKでは政権批判はほとんどなく、民放はスポンサーのしばりがあるので大企業の意向に従って番組が作られていると指摘。「原発事故当時、予備知識のない記者は政府が言うままの情報を伝える、なぜなら責任を持たなくてよいからです。知識のあるフリー記者には、都合の悪い質問はさせませんでした。また、3・11の事故当時、パニックを恐れて情報が抑えられたのかもしれない」などと述べました。
 また、福島第1原発から約30キロ離れた福島県浪江町で、震災から3カ月後、「4匹生まれたうさぎのうり、耳のないウサギが生まれた」という映像が「YouTube」にアップされたことで、新聞、雑誌で「放射能が原因?」「ストレスが原因」などと大騒ぎになった事件で、報道した記者はインターネットでバッシングや脅迫まで受けたことを紹介。「報道される情報は真実かどうか、偏っていないか、何を伝えようとしているのかを考えましょう。テーマがあって報道がある、たった5分間のニュースでどこまで伝えられるか、スポンサーの意向というフィルターもあります。自分が思っていることと反対の報道にも注意し、他人の意見を聞く余裕をもつことです」と話しました。
 秘密保護法案が国会で審議されていることについて、「なにがヒミツか? 取材ができなくなり自由にものが言えなくなります。お上の言っていることが正しいという徳川家康の時代からの悪習から抜け出しましょう。見ざる・聞かざる・言わざる社会にしないため、知識を持ち報道をチェックしましょう」と呼びかけました。(山﨑依子)