ブラック企業の実態と労働者の状態 山科地区労と革新・山科の会は20日、山科区で、先の参院選挙で争点にもなったブラック企業と非正規労働者の問題について、今後のたたかいのあり方を学ぼうと、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)の山本善五郎副委員を講師に、「ブラック企業の実態と労働者の状態」と題した講演会を開きました。
 
 山本氏は、日本と京都の労働組合の概括、非正規労働者の実態、労働者派遣法の歴史やブラック企業について解説。ブラック企業とのたたかいや労働組合の課題について語りました。非正規労働者の実態では、ここ10年で急速に増えて40%近くを占め、15歳~24歳では50%を超え,京都は全国で3番目に高いことや待遇の違い、最低賃金もオランダやフランスに比べて70%にも満たない実態を資料に基づいて報告。労働者派遣法の1985年の制定から7度の改悪で自公はもちろん、民主や社民党も手を貸してきたことを指摘しました。
 ブラック企業の急増の背景にある労働者の使い捨て、アメリカ型経営の「成果主義」「自己責任の押し付け」など新自由主義の台頭、安倍政権の労働法制の破壊のたくらみを明らかにしつつ、今後の展望として、労働組合が非正規労働者を含めた組合へ、さらに世界でまれな企業内組合から産別への移行が必要だと述べました。「課題もあり、不充分であるがブラック企業の調査、非正規でなく正社員化(全日空)など参議院選挙で問題も明らかになりつつある。課題は山積みだが、運動は前進しつつある」と分かりやすく話しました。質疑の応答や山科の実態について、日本共産党の本庄たかおさんが報告しました。
 最後に革新・山科の会の谷口代表世話人が知事選に向けて共同の闘いを前進させようとあいさつしました。(野原孝喜)