「日本共産党の〝第3の躍進〞を本格的な流れにしよう」│参院選で3選を果たした井上哲士参院議員(55)、京都選挙区(改選数2)で15年ぶりに議席を獲得した倉林明子参院議員(52)の2人が、国会初登院を終えて対談しました。選挙後も続く日本共産党への期待と共同の広がり、国会内外での今後のたたかいの展望など、語り合いました。

初登院・選挙戦

共産党躍進にマスコミ注目

躍進対談~倉林明子・井上哲士 倉林 何が一番びっくりしたかというと、マスコミの多さ。これだけ(日本共産党に)集まったことはないと聞きました。注目度が高かったんですね。
 井上 私は3回目の初登院でした。今回は全く注目度が違いますね。マスコミは、最年少の吉良よし子さん(東京選挙区)に集まるとともに、日本共産党が8議席に躍進したことに注目し、全員でのガッツポーズはすごい数のカメラが押し寄せました。
 倉林 当日の様子は、フェイスブックでも大きな反響・反応をいただきました。翌日にはメールが700件も来ていましたよ。
 井上 多くの方から期待されていますね。その分、責任重大です。この期待に応え、「日本共産党を増やしてよかった」と実感してもらえることをやらなければならない。ところで、初めての国政選挙でしたが、どうでしたか?
 倉林 あんなに楽しい選挙はなかったですね。政策が染みわたり、「自共対決」の様相がどんどん明らかになっていく、打てば響く、響きあうという感じでした。定数1で勝った府議補選(94年)のときと似たような雰囲気を感じました。
 井上 世論調査でも、尻上がりに支持が広がっていました。
 倉林 街頭では、憲法でも、TPPでも、原発でも、国民のみなさんが安倍政権の暴走に危機感を持っておられると感じました。消費税増税を中止してほしいと、初めて2ケタの商店街が推薦決議を上げてくれました。北部地域では米軍レーダー問題で共同が広がりました。

「一点共闘」で信頼を得た

 井上 どの問題でも、この間「一点共闘」でたたかいを積み重ねてきた中で信頼を勝ち取ったものだと感じました。京都民報紙上でも、京都の社民党の元代表が選挙区で支持してくれたり、原発でたたかってきた人が「比例も共産党」と表明されました。また支持者の方も必死になって訴えてくれました。演説後、握手に回ると、「がんばって」と言うだけでなく、「がんばりましょう」、「昨日は電話かけをした」、「10票増やしましたよ」という声かけが多かった。猛暑の中でのみなさんの奮闘に励まされました。
 倉林 比例5議席は「全国は1つ」でたたかいましたが、選挙区でも全国の支援がありました。民医連後援会が北海道から沖縄まで応援してくれました。また福島県からは神山悦子県議団長、東京都議選で定数2の文京区で競り勝った小竹紘子さんなども駆け付けてくれました。
 井上 京都で勝ってほしいというのは全国の思いなんですよ。他県へあいさつ回りすると、「京都の話を聞かせてほしい」、「どうやって定数2で勝ったの」という話で盛り上がります。私は、京都での反共包囲網を説明しています。民主党が自民、公明両党に票回しをお願いしたことが、選挙期間中に暴露されましたね。
 倉林 従来ならば選挙後に判明していたものですね。
 井上 そうです。最終日には民主党の車と5回も出くわしましたが、「共産党には負けられない」しか言わない。与党に票をおねだりし、反共攻撃に終始する姿に、有権者も民主党では自民党政治にたち向かえないと見抜きました。反共包囲網を組織的にも論戦的にも打ち破りました。昔から「日本の夜明けは京都から」「革新の灯台」といいますが、灯台が輝いてこそ先が見える、京都はそういう存在になってほしいと期待されています。
 倉林 期待に応えて、がんばります。選挙後すぐに、京都の代表として、府内の全首長への表敬訪問を始めました。憲法9条、原発再稼働、TPP、道州制などついては、「この点だけは政策が完全に一致する」「がんばってほしい」と激励を受けました。とくに改憲への危機感は選挙後に強くなって、「こんなにいい憲法はない」「96条改定反対の他党議員とも一緒にやってほしい」と要望されます。自民党・安倍政権の暴走に対する危機感と、明確に対峙してきた日本共産党への期待というものがこれまで以上にはっきり出ていると感じました。

看護協会でも一致点で共同

 井上 国会議員団総会で倉林さんが早速、首長訪問をしていると発言すると、みんな「ほー」と感心してましたね。京都府議を1期、京都市議を5期務めた行政との対応の経験とフットワークの軽さが生きています。議員団全体への刺激にもなるんじゃないでしょうか。
 倉林 ありがとうございます。首長だけでなく、団体も回っています。国会事務所に日本看護協会から胡蝶蘭こちょうらんをいただいたので、伺いました。飛び込みで行ったのに専務理事筆頭に理事クラスが4人で歓迎していただきました。労働・賃金問題で意見交換になりました。現在も3K(給料が安い、きつい、危険)職場と言われているので、「(雇用状態が)20年前の水準になっているのでは」と聞くと「そうなんです」と。看護労働に低医療費政策のしわ寄せがいっています。政策的に全面的に一致するわけではないんですが、一致点で広げられるなと感じました。(「週刊しんぶん京都民報」2013年8月18日付掲載)