抜穂祭 伏見稲荷大社境内にある神田で25日、自然の恵みに感謝する「抜穂祭(ぬきほさい)」が天高い秋空のもとで行われました。6月10日の田植祭で植え付けられ、生育した稲穂を収穫し祝う神事です。
 本殿で奉告祭を営んだあと、神主、巫女(みこ)や刈り人が列をつくり小径を歩いて境内の山手にある神田に到着。さっそく茜襷(あかねだすき)に菅笠(すげがさ)スタイルの大阪・三島初穂講の男女が神職から手渡された鎌を持って田圃に入り手際よく稲刈りをします。その間に斎場で緋袴(ひばかま)姿の神楽女(かぐらめ)が鎌を持ち、神楽歌にあわせて抜穂舞を優雅に舞います。刈り取られた稲穂は唐櫃(からびつ)に納められて稲実殿に保管されます。
 初穂は11月23日の新嘗祭(にいなめさい=この日は戦前も祭日で現在は「勤労感謝の日」で祝日)に神前に供えられます。
 右京区から来たという女性は「初めて観ましたが、良いですね。来てよかったです」とカメラに収めていました。(仲野良典)
「稲刈れば小草に秋の日のあたる」(蕪村)