橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が12日、大阪市内で政治資金パーティーを開き、7人の国会議員を集めて急造した国政政党「日本維新の会」の結成を宣言しました。
 橋下氏のめざすものと同会の実態について、京都の各団体関係者の危ぐの声を紹介します。

 教育問題では、「学校選択の保障」と称して、学校間の競争をあおり、人気校と不人気校をつくって、学校統廃合をすすめる施策を打ち出しています。大阪府と大阪市では首長の教育への権限を強化する「教育行政基本条例」と「職員基本条例」の2条例を強行可決。教育への政治介入、統制・競争の強化を狙っています。

子どもの学力・発達を阻害

京都教職員組合書記次長・相模光弘さん

 競争教育と管理統制を強化する「維新の会」の政策は、今の教育現場の問題をさらに拡大させるもので、子どもたちの健やかな発達や学力向上を阻害するものです。
 京都でも公立高校の一部でエリート高がつくられ、学校間の競争が激化しています。エリートの行く学校は立派な建物なのに、他の学校はボロボロの校舎を使っているという事態も生まれています。また、全国学力テストや府のテストの点数を上げるために、過去問を「練習」する学校もあるなど、学校へのプレッシャーは激しくなる一方です。
 「維新の会」のやり方は、今の競争をさらに激しくし、生き残り競争をあおるものです。競争教育、エリートを輩出する選別方式では、全体の学力は向上しません。イギリスやアメリカでもバウチャー制度など「維新の会」のような競争教育が実施されましたが、失敗に終わっています。 
 また、橋下氏のやり方の特徴は、子どもや学校に競争をさせておきながら、負けた方には、「それはあなたの自己責任だ」の一言で終わらせてしまうことです。首長が教育に大きな権限を持つことを主張しながら、「自己責任」を押し付け、自身で教育の保障に責任を持たないのです。
 教育を破壊する「維新の会」の施策を実施させてはなりません。(「週刊しんぶん京都民報」2012年9月23日付掲載)