謙虚に耳を傾むけよ

総本山永観堂禅林寺法主 中西玄禮さん

 京都会館の一定の改修は必要でしょうが、東山の山すそ、岡崎の景色にとけ込んだ建物の外観や形状はぜひ遺してほしいと思っています。
 市は、市民のための文化都市にふさわしい建物を目指しているのでしょう。しかし、国内外の専門家や建築家から、市の計画は「美と調和した建物を破壊する」と指摘され、見直しを求められているのです。
 京都会館は、長らく市民に親しまれてきました。市民のための施設というなら、市は、こうした指摘に謙虚に耳を傾けることが必要です。仮に半年解体工事を遅らせてでも、一度計画を再考するのが筋ではないでしょうか。(「週刊しんぶん京都民報」2012年9月9日付掲載)