4日開かれた京都市議会くらし環境委員会で、京都会館建て替えをめぐってイコモス専門委員会が発令した「遺産危機警告」が取り上げられました。市理事者は「警告に当たり、専門委員会委員長が勝手に建物を視察して、一方的な結論を出したもの」などと述べました。日本共産党の山中渡議員の同館第1ホール解体工事中止を求める質問に答えたものです。
 同委員会が市に提出した意見書によると、委員長が2月に個人的に京都会館を視察。その後、「外部専門家を起用し、遺産価値に対する厳格で独立した評価」や「現地調査」に基づき、警告を発令したもの。同館建て替えは「後戻りできない害を及ぼす」として、計画の再考を求めました。
 この日の委員会で、平竹耕三文化市民局文化芸術担当局長は、「委員長の視察に際して、市に何の相談も聞き取りもなかった」と発言。また、警告について「市との議論もなしに一方的に出された」などと述べました。このほか、イコモス国内委員会が警告に関与していないとして、「国内組織を通さないやり方はいかがなものか」「市の考えを返答する」と述べました。
 これに対して、山中議員は「専門委員会は遺産の保存に大きな役割を果たしている。指摘に耳を傾けるべきだ」と市を批判しました。