「いじめ・自殺」を考えるシンポジウム 「『いじめ・自殺』を考えるシンポジウム」が1日、京都市中京区のラボール京都で行われ、教職員や保護者ら150人が参加しました。昨年10月の大津市での中学生の自殺といじめの関連が問題になっていることから、いじめ問題への対処や学校の課題、親が子どもにできることなどについて話し合おうと開かれたものです。主催は京都教職員組合など15団体でつくる「子どもと教育・文化を守る京都府民会議」。
 シンポでは、米岡千尋さん(21)=大学3年=が小学校から中学校まで、ものを投げられたり、無視されるなどのいじめを受けていた体験を語り、「家の2階から飛び降りたこともある。ずっと死にたいと思っていた」と当時の気持ちを振り返りました。
 元中学教員の藤木祥史さんは、いじめは少年期の子どもが成長していく中の1つの行為であるとしながら「いじめがエスカレ-トする前に何をするかが求められる」と述べ、「多忙ではあるが、教師は子どもの関係性の中のどこに問題があるかを見抜くトレーニングを積んでほしい」と話しました。
 村山晃弁護士は、この十数年で教師の精神疾患は5倍に急増していることを紹介。「子どもは自分の身を守るすべを知らず、SOSを出しても受け止められる社会的状況にないことが今の日本の深刻な状況だ」と指摘。改革という競争・管理主義の流れを止め、子どもを中心とした学校づくりを進めることがいじめをなくしていく近道ではないかと述べました。
 会場からは、いじめる側にいたという女性や元PTA会長、不登校の子どもを持つ親、退職教員ら10人が発言。「子どもたちの声を先生が聞いているのか。いじめの指導が形式化し心に響かない。教師の本来の営みを獲得してほしい」「保護者に遠慮せず声をかけてほしい」「いじめの実態や原因をオープンにし、子どもの権利を守るとはどういうことか、みんなで勉強していきたい」などの意見が出されました。