京都市が進める京都会館(左京区岡崎)の建て替え計画は納得できないとして、計画見直しと「建物の価値を尊重した保存改修を」求める署名を呼びかけた建築家10氏が6日、著名な建築家や研究者ら143人の賛同者(6日現在、第2次分)を発表しました。署名には、全国各地から賛同が寄せられ次々と反響が広がっています。
 呼びかけた(2011年10月)のは、鈴木博之・東京大学名誉教授をはじめ木村重信・大阪大学名誉教授、京都在住の松隈洋・京都工芸繊維大学教授、前田忠直・京都大学名誉教授、山崎泰孝・元近畿大学教授、吉村篤一・元奈良女子大学教授の各氏。
 賛同人には、第1次分の石井聖光(東京大学名誉教授、京都会館音響設計者)、内藤廣(建築家、東京大学名誉教授)、槇文彦(建築家、東京大学名誉教授、京都国立近代美術館・設計者)、三上祐三(建築家、東急文化村オーチャードホール・設計者)らに加え、妹島和世(建築家)、中川武(早稲田大学総合研究機構ユネスコ世界遺産研究所所長)、藤本昌也(日本建築士会連合会会長)、横内敏人(京都造形芸術大学副学長)、横山禎徳(社会システムデザイナー)吉見俊哉(社会学者、東京大学副学長)の各氏らが名を連ねています。
 賛同メッセージには、「建築の価値を社会構築の原資にできない日本を、いつまでも続けるわけにはいかない。土地はもう原資にはならないのだから。京都でそれができなければ、日本のどこができるのか」(塚本由晴・建築家、東京工業大学大学院准教授)、「名建築を安易に壊してはならない。傷んでいるところは修理すればよい。欧米の建築は修理して大切にされている」(永田祐三・建築家)、「日本では、どうしていまだに、都市の記憶を世代を超えて引き継いでいくというあたりまえのことができないのか? 学生時代を京都で過ごした者として悲しくなります」(小嶋一浩・建築家、横浜国立大学大学院教授)などの思いが綴られています。