京都会館保存を訴えるシンポ 京都市が進める京都会館(左京区岡崎)の全面建て替え計画に反対し、保存を訴えるシンポジウムが18日、京都会館会議場で開かれ、市民ら約300人が参加しました。
 京都会館は、故前川國男氏が設計した近代モダニズム建築を代表する建物。市の計画(5月発表)に対して、全国的規模で批判の声が上がってきました。
 シンポは、建築関係者らでつくる「京都会館を大切にする会」の主催。
 法政大学教授で建築家の富永讓氏は、「建物が東山や周囲の景観にとけ込むよう精密な設計がされている。どこかに手を加えれば、建物は全く変わってしまう。効率主義にさらして、建物を壊すことには賛成できない」と訴えました。
 東京大学名誉教授で国際的な建築の顕彰団体DOCOMOMO JAPAN代表の鈴木博之氏は、「岡崎が近代を経て今も生きのびているのは、多くの文化施設を集積してきたからだ」と指摘。文化施設を守る意義を強調し、「建物の保存とは、その本質を守ることだ。手を加えるなら必要最小限にすべきだ」と述べました。
 元東京大学教授で京都国立近代美術館の設計者、槇文彦氏は、オペラ公演を可能にするため全面建て替えが必要と市が説明していることを批判し、「建物と全く異質のオペラを持ってこようとする発想に驚く。岡崎の環境を維持してほしい」と訴えました。