『非正規』をなくす方法学習会 来年の京都市長選に出馬表明した弁護士の中村和雄氏を講師に、「『非正規』をなくす方法学習会」が30日、京都市上京区内で開かれました。日本共産党京都府委員会民間労働者後援会の主催。
 中村氏は先月、龍谷大学教授の脇田滋氏と共著で『「非正規」をなくす方法』を出版。同著で紹介しているデンマークの労働市場について、手厚い社会保障によって「失敗してもはい上がれるシステム」になっていると紹介し、「日本では社会保障の充実ぬきに『柔軟な労働市場』として非正規化が進められ、格差が広げられた。貧困を解消し、非正規をなくす道へ転換しなければならない」と訴えました。
 さらに同氏は、京都市政の問題点に言及し、同市が非正規労働者の比率が政令市の中で最も高いと指摘。「前回の市長選からさらに格差が広がっている。今度こそ市政を刷新したい」と決意を述べました。
 また中村氏は被災地の仮設住宅の視察をしたことにふれ「仮設住宅建設を大手メーカーに発注したところでは粗悪なプレハブ住宅が建てられ被災者から苦情が出ているところがある。一方で自治体が地元業者に発注したところは木造のしっかりした住宅が建てられ被災者に大変喜ばれているところもあった」と報告。「地方自治体は社会的責任を果たす地元中小企業を支援し、大企業にも地域に貢献するよう求めるべき。また自治体発注の契約に労働条件など適正なものを元請業者に守らせる公契約条例の実現が必要」と訴えました。
 参加者からは公契約条例の内容や財源についての質問など相次ぎました。