舞台関係者の意見を聞くべき

京都バレエ専門学校(有馬龍子バレエ団長) 有馬えり子校長

 長年、京都会館で公演し、不便さを痛感してきました。改善の要望書を再三、京都会館に提出してきましたが、何の回答も返ってきていません。それが、突然、建て替え計画案が発表され、驚きました。舞台関係者の声も聞かず、計画を進めて良いものができるはずがありません。
 私たちは、滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」も使用しています。ここは、245億円の税金で建てられた「豪華ホール」ですが、オペラ用のためのスライド式の舞台のため、バレエの激しい踊りをすると舞台の床が浮いてしまいます。同ホールは素晴らしい会館ですが、建築側と使用者側とのコミュニケーションがあったのかと疑問に感じ、残念に思います。
 京都会館の外観とデザインは優れた、良いものです。ここに、舞台機能が充実すれば、世界から人が集まってきます。
 拙速に建て替えを進めるのではなく、建て替えの前に今一度、舞台関係者の意見を聞いて欲しいと思います。(「週刊しんぶん京都民報」2011年6月5日付