京都民主医療機関連合会(民医連)は7日、同会加盟の医療機関で、国民健康保険料や医療費が払えないため受診が遅れて死亡した人が、昨年1年間に2人いたことを記者発表しました。いずれも保険証がないため、重篤になるまで医療にかかれなかったもの。
 1人は、保険加入歴のない「無保険」者の男性(44)で、糖尿病の悪化から心不全で死亡しました。医療費が払えなくなり、それまで受けていたインシュリン注射を断念。症状は次第に悪化し、救急車で病院に搬送された時には、血糖値は正常値の10倍を超える1000以上で、心肺停止状態に。緊急入院後3日で亡くなりました。
 もう1人は、国民健康保険料滞納による、全額窓口負担が必要な「資格証明書」の男性(48)。家族の通報で救急搬送され、腎臓がんと悪性リンパ腫で亡くなりました。
 民医連事務局の勘解由貢一さんは、「京都市では、国保料の滞納世帯には、入院費用の負担軽減のための『高額療養払い制度』の利用を制限している。他都市に比べても厳しい制裁措置だ。国保料の引き下げとこうした制裁をやめるべきだ」と訴えました。