私たち生活クラブはTPPに反対しています。しかし、多くのメディアが経済界と農協の二項対立のように描いているのが残念です。私たちは、10年先、20年先の子どもたちにどんなものを食べさせたいかという、食料を軸にした生活者の視点で考えていきたいと思います。
 京都の生活クラブは、府内で約6000世帯が加入している消費者の協同組合で、店舗を持たず共同購入のみで運営しています。生産から流通、消費、廃棄まで自分たちで管理することで、自分たちが納得し、わかって食べられる食をつくりだしたい。生産者に情報を開示してもらって中身のはっきりわかる食べものを作ってもらい、しっかり利用して、生産者との対等な信頼関係をつくる必要があります。そのために、食を生み出す第一次産業が持続できる国内自給力を高める取り組みが大切だと思っています。
 TPPで国内自給率は13%まで落ち込むと農水省は試算しています。食料を他国から買いあさることは食を奪うことです。国内で今まで食を支えてきてた第一次産業の担い手がいなくなる、それでいいのか。生産者か消費者のどちらの利益を守るのかとか、団体同士の対立という狭い問題にしないで、生産から消費までを考える生活者として、国民的議論を起こしていきたいですね。(「週刊しんぶん京都民報」2011年01月30日付に掲載)