嵯峨野の秋 嵯峨野の一角に、芭蕉十哲の一人、長崎生まれの俳人・向井去来(1651~1704)が閑居した落柿舎があります。前の田圃には綺麗なコスモスが咲き誇り、秋の嵯峨野を醸し出しています。
 落柿舎には芭蕉も訪ねており、名作『嵯峨日記』を残し、裏の墓地には小さな自然石で刻まれた去来の小さな墓もあります。
 「鴨なくや弓矢を捨てて十余年」(去来)
 嵐山、嵯峨野の常寂光寺、二尊院、壇林寺や野宮神社などには、青い竹林の小径の散策を楽しむ修学旅行生や若い男女のカップルなどたくさんの人々が訪れています。小さな土産店が点々とあって品定めをする高校生、人力車で一回りするカップル、美味しそうにアイスクリームを食べる女性グループ、のんびり歩く熟年の二人づれなどさまざまに嵯峨野の雰囲気に浸っています。(仲野良典)