「坂東玉三郎特別舞踏公演」が京都市東山区の南座で27日(日)千秋楽を迎えます。古典作品の再創造や新演出などの実験的な試みを行ってきたもので、10回目を迎えました。共演は、中村獅童(2回目)、中村隼人(初)。
 京の地にふさわしく地唄舞の代表作「由縁(ゆかり)の月」で幕開け。玉三郎が男性を懐かしく思う遊女の寂しさをしっとりと舞います。
 続いて、「重戀雪関扉」(つもるこいゆきのせきのと)。常磐津の大曲「積恋雪関扉」を長唄と義太夫の掛け合いの作品に仕上げ、新たな息吹を吹き込みました。
 雪の逢坂の関に不思議と咲く小町桜。関守の関兵衛(獅堂)が、良峯宗貞(隼人)と通りがかりの元・恋人小野小町姫(玉三郎)との仲を取り持ち、3者が舞う場面は見どころの一つ。(幕)。関兵衛こそ実は天下を狙う大伴黒主。星占いで「時は今」と知るや、野望の成就祈願の護摩木にと小町桜を切り倒そうとします。そこに小町桜の精(玉三郎)が遊女の姿を借りて止めに入りクドキますが、両者譲らず。太棹三味線がテンポを上げ、桜舞い散る中、大伴黒主・小町桜の精、両者が正体を現し、激しく争います。拍手、大向(おおむこ)うが飛び交い、舞台、客席が一体となってクライマックスを迎えます。(松浦 天)
 料金は、1等席は14000円、2等席7000円、3等席5000円、特別席16000円。