梅小路水族館シンポ 京都市下京区の梅小路公園にオリックス不動産が計画している「京都水族館」の問題点を論議するシンポジウムが25日、京都市左京区で開かれ、市民ら90人が参加しました。主催は、地元住民らでつくる「下京梅小路パークプロジェクト」と市民団体「梅小路公園に水族館はいらない“市民ネットワーク”」。
 まちづくり市民会議事務局代表の中島晃弁護士が、同水族館について「オリックス不動産は23日、市に対し同水族館の公園内の設置許可を申請したが、市民の意見は圧倒的に計画反対」と指摘。同水族館設置で(1)同公園機能の損失(2)年間5000トン以上のCO2排出(3)イルカショーを計画し、生物多様性の保護に逆行(4)年間200万人の入場者による交通渋滞(5)同公園敷地使用料を減額するなど、市の同不動産への便宜提供―などの問題点をあげ、計画中止を求めました。
 エルザ自然保護の会の辺見栄さんが、「市は環境教育に役立つと説明しているが、生息地とは全く異なる、コンクリートの水槽の中のイルカを見せるのは、間違った環境教育にしかならない」と批判。フィールドソサイエティー代表の久山喜久雄さんは、「人工海水を使用して、内陸地に水族館が必要なのか。施設建設による環境への付加も大きい」と強調しました。
 京都造形芸術大学准教授の下村泰史さんは、「市から諮問された『構想検討委員会』が水族館設置は妥当とした後、市は、公園入り口の広場を大規模駐車場にすると発表した。計画の進め方も内容も問題だ」と指摘しました。