杉本家春の一般公開「端午の節句」 京町家「杉本家住宅」(京都市下京区)が16日、国の重要文化財(建造物)に指定されました。文化審議会(西原鈴子会長)が文部科学相に答申していたもので、京町家の指定は初めて。
 杉本家は間口30メートル、奥行き60メートル。蔵3棟をはじめ、店の間、中の間、座敷など江戸期以来の京町家で大店の構えを残した表屋造が歴史的価値が高いと評価され、重文指定されました。
 同住宅は、「奈良屋」の屋号で1743年(寛保3)御服商として創業、1767年に現在地へ移りました。1992年、財団法人「奈良屋記念杉本家保存会」(杉本秀太郎理事長)が設立され、祇園祭の伯牙山のお飾り所としての歴史を継承しているほか、古文書を基に江戸期の料理を再現したり、人形や冠婚葬祭の祭具などを定期的に一般公開しています。
 京都府内では今回、1913年ごろに建てられた近代和風建築の「清流亭」(左京区)も重文指定されました。
 写真は29日からはじまる春の一般公開「端午の節句」展の人形飾り。