民主党政権の福祉政策を問う 民主党中心の政権発足後、介護保険や障害者自立支援法などの福祉政策が変化したかどうかを考える「今、新政権の福祉政策を問うシンポジウム」が11日、京都市中京区のこどもみらい館で開催され、市民ら80人が参加しました。
 主催は、障害者自立支援法に異議あり応益負担反対実行委員会。
 立命館大学の峰島厚、佛教大学の岡崎祐司、桃山学院大学の瀧澤仁唱の各教授が報告しました。
 峰島氏は、応益負担を導入した障害者自立支援法について「運動と世論に押されて民主党は遅くとも、2013年までに廃止を言明した。しかし、新年度から行われる、利用者の負担軽減など改善案の中味は、自民党が当初から掲げていた『見直し案』の粋を出ていない」と指摘。「民主党の障害者政策について、従来の新自由主義路線を変えたとは言えない」と批判しました。
 岡崎氏は、自民党政府の下、厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会少子化対策特別部会」が発表した「新制度保育案」を取り上げ、「公的保育制度を根本からくずすし、契約型利用、企業参入や応益負担の導入を持ち込むなど、従来の構造改革路線の延長でしかない。新政権になっても、この方向での検討が加速されている」と指摘。「必要なのは、現行の保育制度を変更や、保育所基準の切り下げではなく、財政措置を取り保育所の増設による待機児童の解消だ」と訴えました。
 瀧澤氏は介護保険について述べ、「民主党のマニフェストでは、不足している福祉介護施設や福祉労働者の充実・整備など、国民要求を掲げている。しかし、現制度の根本的問題に踏み込んでいない。介護を受けることを権利として確立する、介護保障制度に改めるべきだ」と述べました。