農林水産省はこのほど、野生鳥獣が農作物を食い荒らしたりする「農地荒らし」の被害額が08年度は前年度比7.5%増の198億8600万円に上ったことを発表しました。京都府の被害額は7億4400万円(被害面積830ヘクタール)で全国5位、被害額・被害面積とも近畿では最悪となりました。
 都道府県別では、北海道が43億8240万円で最も多く、次いで長野県(9億8000万円)、福岡県(9億6700万円)、山形県(8億6000万円)の順。
 農水省のまとめによると、イノシシ、シカ、サル、カラスによる被害が大きく、特にシカでは、被害金額は前年度より11億3600万円増の58億1600万円でした。
 野生鳥獣による農作物被害は近年年間200億円前後で推移。農水省は対策事業の経費として10年度予算の概算要求に30億円を計上しましたが、行政刷新会議の事業仕分けで「地方の判断」と判定されました。同省では、事業継続のため都道府県向け交付金として措置するよう財務省と折衝しています。