能面展 第38回新作「能面展」が岡崎の京都市美術館別館で開催されています。8日まで。
 主催は日本能面美術協会。66人による107面(おもて)と伏見藤森神社に奉納された七福神が展示されています。
 仮面の歴史はいずれの民族においても古く、太古から神事などで重要な役割をもって登場します。日本でも古典芸能史に重要な地歩を占めてきました。会場の説明では「特に能面にあっては独自の発展を遂げ、一見無表情な面も、その中心に力を含んでいて、内的に圧縮された緊張感がひびき伝わり、喜怒哀楽があらわれる完成された芸術」と言います。
 同協会を主宰する森嶋玄雪さんは「面制作はプロやアマなどの区別はなく」、「一片の木から真に美的感覚と精神追求による理念をもって試作」していると述べます。同協会会員は130人ほどで、最近は能面への関心が高まっています。会場内には、仙人、般若、増女、痩男、童子、怒男、若女、翁などなど、一面一面が生きているように語りかける新作能面が並び、独特の緊張感がみなぎっています。(仲野良典)