20090921-01.jpg 第二次世界大戦終戦直後、中国大陸の戦地にいた日本兵をソ連領土(当時)に抑留させ、強制労働させていた実態を世に知らせようと、展覧会が23日まで、京都市下京区のひと・まち交流館京都で開かれています。主催は、シベリア抑留の被害者らでつくる「棄兵・棄民政策による国家賠償をかち取る会」(林明治会長)。
 シベリア抑留の被害者は76万人とされ、うち5万人が飢餓や病気などで死亡。日本への帰還は56年まで続いたとされています。93年にロシアが公開した資料で、日本政府が「天皇制の維持」を目的に、停戦交渉で日本兵を労働力として差し出すという「棄民政策」をとったことが、明らかになっています。
 展覧会では、93年のロシアの資料公開に関する記事や同会メンバーらがシベリアで遺骨を収集する写真、当時を回想して描いた絵、遺品などが展示されています。
 林会長(84)は、「私たちが戦後、シベリアに赴いて収集してきた遺骨は、厚労省の倉庫に眠ったままです。ぜひ弔ってほしい。日本政府の対応は『棄民政策』という点では、後期高齢者医療制度や沖縄の在日米軍など、現在も行われています。その意味でも、日本政府には国家賠償を求めたい。私たちが京都地裁に起こした国家賠償を求める訴訟は、10月に判決が出ます。ぜひ多くの方にこの展覧会に来ていただいて、問題の実態を知ってほしい」と話していました。
 23日には、シベリア抑留について描いたドキュメンタリー映画「帰還証言 ラーゲリから帰ったオールドボーイたち」が上映(前編午後1時20分、後編午後3時)されます。参加費無料。