宇治市長選(30日告示、12月7日投票)に立候補を表明している「21宇治市民ネット」代表委員の宮本しげお氏(62)=無所属=は20日、政策提言「国にはっきりものを言い、くらし・営業を応援、医療・福祉・教育の充実、市民とともに歩む市政へ」を発表しました。全文を紹介します。


 21宇治市民ネットが実施したアンケートには、約1000人の方から回答を寄せていただきました。どの回答からも、くらしの悲鳴があふれています。
 私は、市民の声と願いにこたえるために、医療・福祉・教育を充実し、市民とともに歩む市政へ転換する「基本政策」案をここに提案します。みなさんのご意見をいただき、さらに豊かな政策へと練り上げていきたいと考えます。

【国の悪政にはっきりものをいいます】

 今の市長は、後期高齢者医療制度の廃止に「自治体にとって迷惑」、消費税増税については「(反対するのは)適切でない」、ムダな公共事業と専門家も指摘する天ヶ瀬ダム再開発や大戸川ダム建設には「国の計画どおりに」と公言。自・公政権ベッタリの姿勢です。悪政おしつけの市政から、市民の利益を第一に考える市政に転換します。

*後期高齢者医療制度の廃止を求めます。
*消費税増税など庶民増税に反対します。
*国民健康保険への国庫負担金を45%にもどすことを求めます。
*2200億円の社会保障費削減の方針を撤回するよう求めます。
*障害者自立支援法については、応益負担の見直しをはじめ、制度の抜本的な改善を求めます。
*労働者派遣法の抜本改正を求めます。
*最低賃金の引き上げ、労働時間の短縮、サービス残業の根絶などを求めます。
*天ヶ瀬ダム再開発・宇治川150トン放流の中止・見直しを求めます。
*憲法改悪に反対し、憲法をくらしに生かします。

【市政を変える3つの転換】

転換① くらし応援、医療・福祉・教育を充実させる市政へ
 「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法)ことが自治体の使命です。市の総力をあげて、市民のくらしを守り、医療、福祉、教育の充実した市政をすすめます。宇治以南で就学前の子どもの医療費が有料なのは宇治だけ、京都府内の15市で4番目に高い国保料、教育予算が府内で最低水準など、他の市町村で当たり前になっていることができていない宇治から、福祉・教育で先進のまち宇治をめざします。

▼「子育てするなら宇治」といわれた市政の復活、「子育て一番」をめざします。
*子どもの医療費を通院もただちに小学校入学まで無料にします。
*公立保育所の廃園・民営化を中止し、新たに保育所をつくるなど、待機児の解消をめざします。
▼国民健康保険料を年間1世帯平均1万円引き下げ、資格証明書の発行をやめるなど、安心して住み続けられる医療の充実につとめます。
▼教育費を増やして、教育環境の改善をすすめます。
*学校の耐震改修や老朽校舎の建替え、全教室へのエアコン設置、学校施設の改善を急ぎすすめます。
*学校給食は、直営を堅持し、安全でおいしい給食をまもり、発展させます。
*就学援助制度は、対象枠を縮小した改悪を撤回します。
*無理な小中一貫校建設や学校統廃合は行わず、校区の見直しは、住民合意なしにはすすめません。
▼介護保険料・利用料の減免・軽減など、お年寄りを大切にして、安心してくらせるようします。75歳以上の高齢者への人間ドック助成をおこないます。
▼障害者への負担軽減をはかるなど、支援を強めます。

転換② 宇治に活気をとりもどし、歴史と文化を守り生かす市政へ
 2信金の破綻、日産車体の撤退は地域経済に大打撃を与えました。その後も宇治市の経済は、冷え込む一方です。大企業にはっきりとものが言えない市政、地元中小業者支援に不十分な市政です。大企業とも必要な協議をおこない、地元業者支援と地域経済復興には、直接に関係者の意見を聞きながら、創意と情熱をもって取り組みます。
 平等院、宇治上神社などの世界遺産をもつまちとして、無秩序な開発を制限し、積極的な景観政策の確立で世界に誇れる美しいまちづくりをすすめます。防災対策をすすめ、災害に強いまちをつくります。

▼人間らしく働くルールの確立をめざします。
*最低賃金を時給1000円にすること、公共事業の現場労働者の雇用形態、雇用条件を適正に確保することを入札条件にする「公契約条例」を制定。〝官製ワーキングプア〟をなくします。
*派遣、請負など非正規雇用の実態調査をおこない、労働条件の向上につとめます。
▼地元商工業・中小企業・農業・観光を振興します。
*「中小企業・地域振興基本条例」を制定します。
*大型店の出店を規制し、撤退計画についても影響調査し、必要に応じて、中止・変更を勧告します。
*公共事業は、学校や公共施設の耐震改修など生活密着型に転換し、中小企業・市内業者に発注します。住宅改修助成制度を創設します。
*市独自に担い手農家への支援を制度化します。地産地消、地元食材の活用をすすめます。
▼地震や水害など総合的な防災対策で、いのちとくらしを守る安全なまちづくりをめざします。
▼公共交通の充実や安全な道路の整備で、だれもが便利で安全にくらせるまちづくりをすすめます。
▼相談窓口の拡充で男女平等、均等待遇の推進。スポーツ施設整備などで若者の輝くまちをつくります。
▼美しい宇治のまちを守り、住民合意でまちづくりにとりくみます。
*景観地区指定を位置づけ、実効性ある景観政策を確立します。太閤堤を文化遺産として保存します。
*歴史的経過のあるウトロ地区のまちづくりを住民合意ですすめるよう支援します。
▼文化・スポーツの振興に向け、関係団体、愛好者らとの連携を強め、施設整備や支援をすすめます。
▼ごみ収集は有料化せず、市民との協同で減量化・分別回収を推進します。

転換③ 市民とともに歩む市政へ
 「市民の知らないところで決めてから説明はする」という今の市政から、検討段階から住民が参加する市政へ。市長と意見がちがうと「一部の意見」と切り捨てる市政から、ひろく市民の声を聞いて生かしていく市政へと転換します。

▼強引にすすめられたゆがんだ施策をただします。
*開浄水場の廃止方針を白紙にもどします。
*宇治小学校に中学校を併設する小中一貫校は白紙に戻し、小学校として建て替えます。
*槇島保育所の廃園計画を撤回します。
*住民合意のない自治体合併は進めません。
▼市民サービスを低下させる「行革」をやめ、公的なサービスの充実をはかります。
*学校給食の民営化、保育所の民営化やごみの有料化と民間委託などの「行革」を中止します。
*市民サービス後退になる、人員削減、公共施設管理の民間開放、市の事務事業を廃止・統合しないことを原則に再検討します。指定管理者制度については、安易に導入せず見直し・再検討します。
▼市民に開かれた市政、市民が参加する市政へと転換します。
*「民主的・清潔・ガラス張りの自治体」をめざす、自治基本条例(仮称)を制定します。
*市長が参加する地域の「市政懇談会」を開きます。
*市民オンブズパーソン制度の創設や、各種審議会等の情報公開を広げます。
▼市長の決断でくらし応援の財源はつくることができます。
*国の地方切り捨てに反対し、削られたくらし応援のための予算の復活・増額を求めます。
*くらし・営業をささえる施策によって、くらしと地域経済を温め、税収アップの循環をつくります。
*子どもの医療費無料化を通院も就学前まで拡充するのに必要な予算は6900万円。宇治市の一般会計予算545億円のうちわずかな額で可能な施策です。市長の決断で財源をつくれるはずです。