真如堂 11月下旬になると山門から長い参道、本堂、鐘楼堂や三重塔など境内がみごとな紅葉で埋め尽くされる真如堂も、今は参拝者も少なく静寂さが漂っています。今は、本堂の裏側の石薬師堂前では山茱萸(サンシュユ)の木々に真っ赤な実がいっぱい熟しています。
 石薬師堂はもともと寺町今出川の公家屋敷にあり、元禄年間に現在地に移され、本尊の薬師如来も東山五条の金光院から寄進・移転されたと伝えます。サンシュユ(ハルコガネバナ、サンゴバナとも)は春に小さな黄色い花を付け、秋に写真のようなグミにそっくりな真っ赤な果実が熟します。味はグミように少し渋みがあって甘酸っぱいです。強精、止血、解熱作用があり漢方薬として用いられました。サンシュユの小枝に俳人水原秋桜子(みずはら しょうおうし)の「山茱萸にけぶるや雨も黄とならぬ」の一句が吊されています。
 青々としたモミジ葉にかこまれている静寂な真如堂境内も、もうすぐ絢爛に染まる紅葉のトンネルをくぐる人たちで賑わいます。

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真如堂
紅葉スポットDATA
  • 住所:京都市左京区浄土寺真如町82
    TEL075・771・0915
  • 交通:市バス「真如堂前」下車徒歩8分
  • 拝観時間:9:00~16:00
  • 拝観料:500円
  • 紅葉状況:
  • 紅葉樹:カエデ