「宇治・防災を考える市民の会」(志岐常正代表)は9日、国交省近畿地方整備局の淀川水系河川整備計画案に盛り込まれている天ケ瀬ダム再開発・毎秒1500トン放流計画の中止・見直しを求める要請署名4092人分を府・宇治市へ提出しました。
 府では、志岐代表らは、再開発が宇治市民にとって危険なものであることなどを指摘し、署名を手渡しました。対応した、神敏郎建設交通部長は、「技術検討会を設置し、3回の会議を経て中間報告をまとめた。今後、各市町村の意見も聞き、他府県の知事とも連携をとって国への意見をまとめたい」とのべました。
 これにたいして参加者は、「中間報告は専門家の検証とは程遠い、国の主張を掲載しただけのものが多い。特に景観・地質問題などは国の資料を、あたかも府の検討会の報告と誤解されるものとなっている」など問題点を指摘しました。また、同会として府実務者との懇談会の早期開催を要請しました。
 宇治市では、対応した石井俊光理事が「治水が大切と考えており、大戸川ダムも天ケ瀬再開発も必要との判断がされたことを評価する」とのべたのにたいして、「初めて市の考えを聞かせてもらった。市民の安全を守る点でまともな検討がされていない。こんな状況で、府に賛成のコメントをしてもらっては困る」などと指摘しました。
 同会では、近く国・近畿地方整備局あてにも4235人分の署名を提出する予定です。(梅原孝)