「憲法九条を守る木幡・六地蔵の会」は9日、「憲法九条を守ろう―講演と文化のつどい」を開き約40人が参加。憲法九条を守ろうと新たな思いを強くしました。
 同志社大学名誉教授の望田幸男氏が「ドイツにおける『戦争しない国』への曲折―『過去の反省』への長い旅」と題して講演。第二次世界大戦後の日本とドイツのあゆみを比較して、わかりやすく話しました。>>要約
 会場からは「最高責任者への追及について、天皇への責任が免責されたのはなぜか」「ネオナチについてどう見るのか」などたくさんの質問が出され、望田氏が丁寧に答えられました。
 フルート奏者の戸田茂氏の演奏で、エルガー作曲「愛のあいさつ」、ドップラー作曲「ハンガリア田園幻想曲」などが演奏され、フルートの美しい音色に暑さを忘れ、会場は静まりかえりました。
 また、同「会」では、人口過半数の署名を集めることを確認しました。(帆足慶子)


「ドイツにおける『戦争しない国』への曲折―『過去の反省』への長い旅」
 「戦争しない国」から「戦争できる国」へと変わりつつある日本、ドイツは「戦争できる国」としてスタートしながら「戦争しない国」へと進んできている。戦争責任に対する加害者への追及は、日本では東京裁判で加害者責任を追及されるものの「他者の裁き」のみで天皇の責任は免責されている。一方ドイツではニュールンベルグ裁判で他者による追及の後も、現在でもドイツ自身の司法により戦争責任が追及されている。戦争被害者への補償についても、日本では原爆被害者への補償はあるものの空襲被害者などへの補償は何もなく、軍人・軍属への補償だけが国際水準。ドイツでは国籍や軍籍を超えて被害者への補償を行っている。
 さらにドイツでは、大戦後、基本法を作成したときに再軍備や徴兵制をうたっているが、近隣諸国からナチスのような軍隊をつくらない事を求められ、ドイツも他国を侵略する軍隊でないことを証明することに努力してきた。
 日本では憲法九条で戦争はしないとうたっているが、九条を変えずにそれに違反するような現実をつくり、現実に見合う法律の改正をしており、日本とドイツでは第二次世界大戦後、戦争に対する反省をしながら、あゆみは大きく異なっている。