17日投・開票の京都市長選挙で、幅広い市民、団体でつくる「いま正義を・京都市政を刷新する会」の中村和雄氏(53)=無新、弁護士、日本共産党推薦=は、自民・公明両党と民主・社民両党府連が推薦する「相乗り・オール与党」候補の前市教育長・門川大作氏(57)=無新=を相手に、15万7521票(得票率37・02%)を獲得し、大善戦・大健闘しましたが、951票差で及びませんでした。同市長選結果についてのマスコミの報道・論評を紹介します。
■マスコミ各紙「出ロ調査」
●「民主支持層割れる『門川氏に投票』3割以下」(「読売」18日付)
  「門川氏には、自民支持層の6割以上、公明支持層の9割近くが投票したが、府連レベルの推薦を受けた民主、社民支持層はそれぞれ3割以下しか投票しなかった。無党派層の支持は23%で4候補の3番目だった」
 「中村氏は共産支持層の9割近くを固めたほか、民主支持層の30%、無党派層の35%からも票を集めた。村山氏は民主支持層の30%、無党派層の27%の支持を得た」
 「相乗りを『好ましくない』と答えた人(全体の68%)の投票行動を見ると、中村氏への投票が41%で最も多く、門川氏は25%で、村山氏(24%)に迫られた」
 「候補者別では相乗り支援を受けた門川氏に投票した人の中でさえも、『好ましくない』が46%で、『好ましい』の34%を上回った。中村氏支持の84%、村山氏支持の86%が『好ましくない』とした」
●「市民は…批判票が得票を上回る不信を突きつけた」(「毎日」2月19日付・富野暉一郎龍谷大学法学部教授)
 「桝本頼兼市政は多くの不祥事を露呈するなどして市民の不信を買った。その桝本市政を支えてきた政党が相乗りして後継者を出し支え続けるという図式に、市民は投票への不参加と相乗りを批判する候補への投票という形で、批判票が得票を上回る不信を突きつけたのである」
●相乗りで薄氷勝利」で自・民・公幹部が反省の弁
 「自民府連の谷垣禎一会長は『相乗り批判はステレオタイプ。市政への姿勢の違いが政党間になかった』と説明。『今、ねじれ国会の中で国民生活のために賢明な妥協をどう行うかが問われている。政党政治家は、ある時は切り結び、ある時は一緒にやる訓練をされている」(「毎日」2月19日付)
 「民主府連の福山哲郎会長は『わが党の支持者が他候補に投票したのは説明不足から』とした上で、相乗りについて『門川さんは我々が最初に市長にしたいと表明した。後で自公が乗りたいと言ってきて『じゃあ降ります』とはならない。有権者への説明、相乗りではない状況をどう作るかなど、課題を残した』と神妙な面持ち」
「民主府連関係者は『京都の民主は国会議員が選挙カーに乗って浮動票をさらってきた。それができないのはつらかった』。ある民主市議は『民主の票は簡単にどっかいってしまう票なんだと心しないといけない』と話した」(「朝日」2月18日付夕刊)
●1年たって『できなかった』では与党内はもたない」(「京都」2月19日付)
 「与党内には『一年で実行』と門川氏が明言した改革の姿勢を評価する声もあるが、『一年たって『できなかった』では与党内はもたない』と自民市議の一人はいう」