「憲法は“壊憲”状態にある。今こそ憲法誕生の原点に立ち返り、そのスピリットを探りあてる努力を」。龍谷大学の森英樹教授は26日、京都市内で開かれた京都市教職員組合(新谷一男委員長)の教育研究集会で訴えました。
 「今こそ語ろう、子どもたちに憲法を~平和を守る主権者を育てる」と題した講演でのべたもので、森氏は、参院選で国民が改憲をマニフェストの第1にかかげた自民党を拒否し、その後、改憲路線を突き進む安倍内閣を退陣に追い込んだことは大きな変化であるとしつつ、「1度や2度の選挙結果の変化や首相の交代では、改憲の動きは衰えない」と指摘。国会で審議がはじまった新テロ特別措置法案の問題について、自衛隊が給油した米艦船の搭載機がアフガニスタン攻撃を繰り返しており、「米軍が行う虐殺行為を国民の税金で支援するものであり、戦争支援だということを大きな問題にしないといけない」と話しました。
 また教育基本法の改悪や改憲手続き法の成立などで憲法は”壊憲”状態にあるが、イラクに派兵された陸上自衛隊が1人も殺されずに帰ってきたこと、生存権を求めるたたかいなど憲法の生命力を示しているとし、「憲法誕生時に込められた国民の思いや願いという原点に立ち返り、次世代の主権者と一緒に憲法のスピリットを探りあてる努力が必要」と述べました。